Urashima san(浦島さん)
太宰治 著・高橋マリ子 訳・オカダミカ 絵/978-4434184697/80ページ/絵本/1,500円(税別)/2014年1月刊
パブリック・ブレインの《太宰治シリーズ》第6弾は、初めての英訳絵本! かの有名なおとぎ話「浦島太郎」を、太宰独自の切り口で著した『浦島さん』。その『浦島さん』が、2人の女性の手によって、新しく生まれ変わります。
■女優・モデルの高橋マリ子が初めての英訳
アメリカ人の父親を持つ高橋マリ子は、ネイティブスピーカーでもあります。饒舌体とも呼ばれる太宰の文体を、見事、会話英語に翻訳。テンポの良い浦島太郎と亀の会話や、太宰のある種の文明論をどう英訳しているのか、必見です。作品の魅力を楽しみながら、ネイティブイングリッシュを学びたい人にも教材としてオススメです。
■オカダミカによる鮮やかな絵
「浦島太郎」と聞くと、ほんわかしたのどかな絵を思い浮かべませんか? そのイメージは、オカダミカの鮮やかな絵によって、間違いなく覆ることでしょう。若い女性を中心に人気を誇るオカダミカが、美しくも儚げな乙姫や、茫漠とした海の風景など、20点以上の絵を描き下ろし。絵のひとつひとつから文章の配置まで、随所に彼女のセンスがちりばめられています。
■原作も同時掲載
本書の魅力は高橋マリ子・オカダミカの共演ですが、そもそも太宰の原作がおもしろい! 浦島と亀の軽妙な会話や、海中・竜宮城の情景描写、物語そのものの解釈など、独自の語り口で描かれている『浦島さん』は一読の価値あり(亀があんな皮肉屋だったなんて!)。本書でも原作『浦島さん』を収録しているので、2つを対訳させながら読んでみてはいかがでしょう?
帯文は、作家の平野啓一郎さんにお願いしました。