絵本や画集、ページをきっちり開く製本方法
絵本や画集、写真などは通常、ハードカバー(上製)です。
書籍の製本位置、食い込む箇所を「ノド」といいます。ノドの位置は通常、それぞれ15mm設けておかないと食い込んでしまい、文字などが読めなくなってしまいます。
ページをきっちり開こうとすると、硬くて開けないことがありませんか? ペリッと嫌な音がすることも。製本用の糊がはがれてしまうのです。
ハードカバーの場合はよく起こりえますが、それを解消する方法がありますので、ご紹介します。
■ホローバック
ホローバックは「腔背」ともいい、ノドの製本箇所を空洞にすることで、ページをめくりやすくしています。目一杯、ページを開いても空洞があるので、平らに近いくらい開くことができます。
絵本や画集、写真集などは中身の用紙が厚くなり、余計にページが開きにくくなりがちです。ホローバックにすることで、割合綺麗に開くことができます。
費用は、通常のハードカバーより若干高くなります。
■PUR
PURは特殊の糊を使って製本します。こちらはソフトカバー(並製)で用います。
どうしても分厚い書籍になると、ページが開きにくくなります。特にサイズが小さくなるほど、その傾向になります。
PURにすることで、ページを開きやすくします。また、通常の糊よりも丈夫です。
通常のソフトカバーよりは高くなります。
■糸かがり綴じ
現在はあまり使われなくなりましたが、ハードカバーでは糸かがり綴じという方法があります。文字通り「糸」を使って製本します。
もちろん、糊付けではありませんから強度もありますし、開きやすいです。ページ数が多く、サイズが大きい場合、適しているでしょう。
ただ、費用は結構高くなります。
以上のように、絵本や画集、写真など、ページを開きやすくするための製本方法はいくつかあります。
ただ、コストは比較的高くなりますので、必ずお見積もりを取るようにしましょう。場合によっては、用紙を少し薄くするなど、別の対処方法を講じることも必要です。