自費出版の費用、100万円は高すぎる!?
自費出版を検討するとき、必ず相見積もりを取るのがいいでしょう。中には100万円単位なのに、何の紙を使うのか、何にどの金額を要するのか詳細が書かれていないものもあると言います。わからないことに100万円単位もお金をかけられません。
そもそもなぜ100万円単位もお金がかかるのか。
率直にいって、小説などの活字メインの書籍であれば、印刷・製本代はそんなにかかりません。もちろん部数にもよりますが、多くの出版社が利用する印刷所は同じですし、印刷代に大きな差はありません。
ですので、印刷・製本代だけで見れば、100万円単位に達することはあり得ません。となると、人件費が粗利益としてのせられているわけです。
■宣伝PRの費用がかかっているから?
大手出版社の自費出版サービスを利用する際、ブランド力と宣伝PR力に期待している、という理由もあると思います。
ただ、どうでしょうか。書籍を買う際に、「A社の刊行物だから、この書籍を買おう」「ああ、この著者の新刊、毎回買うけど、今回はB社か。じゃあやめよう」という判断には、なかなかならないと思います。
となると、このブランド力とは何なのでしょうか? 書店に対する営業力に通じるものと捉えることができるかもしれません。しかし、大手出版社は毎週、毎月多くの刊行物があります。営業の方が書店を回り、各書籍を書店員さんにアピールするには物理的な時間が足りません。
宣伝PRはどうでしょうか。確かに、大手出版社の「今月の新刊」などの広告に載ることはあるでしょう。でも、書名や著者名だけであったら、効果があるのでしょうか。大きく扱われるのは既存のプロの作家の新刊です。ましてや個別で広告を打ってくれることはないでしょう。
そう考えると、100万単位の費用をかけ、その中にブランド力と宣伝PR力が加味されているとは一概には言えないでしょう。
■何のために自費出版をするのか
自費出版の費用を考えるとき、結局、立ち返るのは「何のために自費出版をするのか」という最大の目的です。
まず、これさえブレなければ費用(予算)もブレることがありません。
仮に、
・自費出版した小説を「文学フリマ」で売る。
・自費出版した絵本を個展を開いて売る。
といった明確な目的があるならば、100万単位の費用を想定しなくともいいでしょう。書店流通販売はせず、アマゾンだけで売る、などの判断がつきます。
部数は300部くらいでいい。コストを下げた分、表紙カバーの用紙だけ高級紙を使おう。などと、いろいろ考えることができます。
自費出版のお見積もりを手にしたとき、自分は何のために自費出版をやるのか、今一度考えてみましょう。そうすれば、100万単位の費用をかける必要性がないことに気づくでしょう。あるいは、やっぱり必要だと思うかもしれません。
今、自費出版は乱世の時代。価格もサービス内容も様々です。各自にあった費用、サービス内容をしっかりと見極め、選ぶようにしましょう。