自費出版のトラブルを避けるには?(費用編)
自費出版という言葉は、昔からありました。ただ、一般個人の方が書籍を作り、書店やアマゾンで販売するという意味での自費出版が定着したのは、ここ30年くらいかもしれません。
かつては自費出版というと、何かとトラブルがつきものというイメージでした。殊に料金が高く、何にどれくらいの費用がかかっているのか不明瞭ということが大きかったと思います(もちろん一部の業者でしたが)。
昨今は、自身のニーズに合わせて、出版社や業者を選べるようになりました。単に本を作って売りたいということであれば、アマゾン・ダイレクト・パブリッシングといったサービスもあり、費用もお手頃になってきました。
とはいえ、どんなビジネスにもトラブルは起こりえます。自費出版の場合、どういうトラブルが考えられるのか。また、どう避ければいいのかを見ていきましょう。
今回は「費用編」です。
■あとから費用が増えた
見積もり時と書籍完成後の精算時、費用が大きく増えた。こういうことはありえるでしょう。
どうやって避けるのかというと、シンプル。予算を変えないことです。
例えば、トータルの予算が50万円であれば、それを超えないよう調整します。
部数やページ数が多くないか。書籍のサイズが大きくないか。用紙にこだわりすぎていないか。フルカラーのページが多くないか。
プランはいろいろ見直せると思います。
また、起こりうるのは制作途中で、部数や仕様・体裁の変更を行った際、費用が増えてしまうということ。
こういう場合は面倒かもしれませんが、必ず改めて見積もりを取るようにしましょう。
特に絵本などフルカラーページが多い書籍は、ページや部数を少し変えただけで、金額が大きく変動することもあります。
予算を守る。その都度、見積もりを取る。この2つを行うだけで、費用面のトラブルの大半は避けられるでしょう。
■何にどれだけの費用がかかっているのか
冒頭でも少し触れました。見積もりを出してもらっても、何にどれだけ費用がかかっているのかがわからない。
費用が細かくわからないと、予算と照らし合わせることができません。以下のような見積もりの場合、要注意です。
・印刷製本代がいくらかわからない
・どんな用紙を使うのかわからない
・デザインやレイアウト、イラスト制作(修正を含む)にかかる費用がわからない
・校正は何回まで無料かわからない
・写真や図版などの加工代がわからない
・販売に関する費用がわからない
通常の見積もりは「レイアウト代」「図版加工代」など項目に分かれています。一括の費用しか明記されていないというのは、かなり不可解です。
自費出版の会社などに、「レイアウトにかかるページ単価を教えてください」と尋ね、回答が曖昧なら、他社との相見積もりを取ってみましょう。
細かい費用がわかれば、出版社に対する不信感も拭えると思います。
以上、自費出版におけるトラブル「費用編」でした。
おそらく自費出版の費用面に関するトラブルの多くの原因は、出版社や業者への不信感によるものだと思います。
必ずメールや書面で見積もりを出してもらうようにしておきましょう。電話など口頭だけというのは、正にトラブルのもとになります。