独自の歩みを続けてきた作家・伊井直行。そのライフワークともいうべき「会社員小説」(論)の核心とは何か。小説と評論を分析した初のモノグラフ。
【目次】
序章 「会社員小説」の問題設定
第一部 人間/非人間の境界線に向けて
第一章 痕跡の集合としての小説―「草のかんむり」/第二章 一九九三年―「草のかんむり」の再導入
第二部 二つの「会社員小説」
第三章 「会社」/「会社員」の境界―「さして重要でない一日」/第四章 郊外、無人の場所―「雷山からの下山」/第五章 「会社」が人間である―「星の見えない夜」とその周辺
第三部 二十一世紀の「会社員小説」(論)
第六章 裸だったら何が悪い―「ヌード・マン」と「ヌード・マン・ウォーキング」/第七章 ジャンルの規定とその乗り越え―「会社員小説」論の位置/第八章 再び「会社員小説」―「尻尾と心臓」
終章 「会社員小説」(論)のポリティクス
伊井直行アーカイヴ/初出一覧/謝辞