小説の書き方講座 序「客観的になる!」
■小説家でプロになるのは、至難!
昨今、小説家を目指すべく文芸誌の新人賞や地方文学賞の応募が増えています。基本的には、1度の賞で受賞するのは1名。とても狭き門です。率直にいって、プロ作家志望でしたら、新人賞を受賞する以外、ほぼ道はありません。それで挫折する方は、多いことでしょう。
最近の傾向として多いのは、若い頃に小説を書いていて、それを自費出版でもいいから、書籍化したい、というニーズです。さらにチャレンジとして、書店流通は無理だとしても、アマゾンだけで販売したい、知人に渡して読んでもらいたいという方も増えています。
■自作の小説を客観的に見る
ただ、小説というのは、他のジャンルに比べ、どだい「主観」が強いものです。よく言うことですが、「小説は一度書いたら、最低1ヶ月は寝かせる」。つまり、自作の小説から距離を置くことが大事。そして、できるだけ客観的になる必要があります。それができれば、小説のクオリティは上がるはずです。
とはいえ、物理的な距離を置いても、なかなか自作を客観的に見ることは難しい。それは当然といえば当然。自らの心、頭の中から生まれたテーマや言葉、物語なわけですから、切り離すのは、それこそ別の人間にならない限りできません。そこで大事なのが、他者の目ということになります。
■他者の目=校閲・校正
他者の目とは、ずばり大きく編集、より細かくいえば、校閲・校正ということです。どんなに自信がある作品でも自分では気づかない物語や論理の矛盾点、誤字・脱字、史実などの事実確認の不備というものが生じてしまいます。それらを防ぐためには、他者の目により作品を精査することが重要です。
これは小説に限ったことではありません。自動車でも何でもそうでしょう。完成したからといって、すぐに販売して、道路を走らせることはありません。必ず他者(別部署や機関)がテストを行い、改善点があれば改善するのが当然のことです。つまり、小説でもこのような過程が必要ということです。
では、これから何回かに分けて、小説の書き方講座を。
次回は、「構想を練る!」です。