自費出版の書籍を献本する方法
自費出版したあと、PRを含め「献本」したいという人も多いと思います。実際、多くのお客様がそのようなご相談をされます。
そもそも献本は、どのようにやればいいのか。方法をお教えします!
■発送は何を選べばいいのか
かつて、一部の出版社では献本方法のマナーというものがありました。発送方法は「冊子小包」に限る、と。
現在、「冊子小包」は「ゆうメール」と言われています。郵便局で発送するのですが、単に送料が安かったという理由もあると思います。寸法より重さで送料が変わります。
ただ、昨今は様々なサービスが増えました。より安い方法で送ることに重きが置かれていると思います。
・ゆうメール(日本郵便)
・スマートレター(同上)
・レターパックライト(同上)
・DM便(各社によって呼び名が異なる)
ざっと挙げると、これくらいでしょうか(赤字をクリックするとリンク先に飛びます)。
ゆうメールは、どんな封筒でも良く、一部中身が見えるように切り込みを入れておけばオーケーです。サイズも関係ないので融通が利きます。ただ、重さによって送料が変動するので、場合によってはコスト高になりがちです。封筒代も考慮すると、あまり適していないかもしれません。
スマートレターは、専用の封筒があり一律180円です。ただ、A5判/1kg /厚さ2cmと決まっているので、ハードカバー/四六判の300ページ近い書籍になると封筒に入らないでしょう。
レターパックライトは一律370円。A4判も収まり、4kg/厚さ3cmなので様々な書籍に対応できます。追跡もできるので、最適と言えるでしょう。ゆうメールと併用するのがいいかもしれません。
DM便は、いわゆる「メール便」です。配送会社によってはカタログなども可としているのでサイズや重量によっては、最もコスト安になるかもしれません。
■書籍以外、何を入れればいいのか
封筒などを用意したら、献本用の書籍を入れます。そのとき、本扉の箇所に「謹呈箋」を差し込むのがマナーです。
「謹呈箋」というのは、短冊くらいの紙に「謹呈」と印刷されている(または直筆)ものです。特別に印刷所に刷ってもらうこともありますが、自分で作成してもいいでしょう。
書籍はOPP袋(透明の袋)などに入れる必要はありません。もちろん入れてもいいですが、受け取る方は開けるのが手間なのでなくてもいいでしょう。
一緒に入れておきたいのは、ヘッド用紙。なぜ今回、書籍を献本したのか(マスコミ献本なら書評欄などで紹介してほしい旨を伝える)。その理由を簡単に明記したものを同封します。A4判1枚のペラ紙で問題ありません。
ただ、長々と書くより簡潔に書いておくのがいいでしょう。自分の連絡先を明記することはお忘れなく。
それとは別に「概要」を用意してもいいと思いますが、これもペラ紙くらいの分量が望ましいです。「略歴」などは書籍に記載されていると思いますので、わざわざ書く必要はないでしょう。
■マスコミ献本をどこまでやるか
マスコミ献本は、どの範囲までやればいいのか。
新聞社の編集局には毎日多くの献本が届きます。その中から、書評委員に選ばれるのは相当高い壁です。実際、PR効果があるかというと疑問なところがあります。闇雲にあちらこちらに送るのは控えた方がいいでしょう。
新聞社なら、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、お住まいのエリアの地元新聞。加えて共同通信でしょう。
雑誌社は、自著のジャンルに合った媒体でいいと思います。例えばアートなら「美術手帖」というように。
あとは、ネット系の書評家の方に献本するのもいいでしょう。SNSなどで取り上げてくれれば話題になる可能性もあります。もちろん、住所は公開していないでしょうから、事前にメールなどで連絡してみるといいと思います。
■図書館などの公共施設への献本
図書館など公共施設への献本も行うことがあります。いわば「寄贈」ですね。施設によっては受け取りのハガキを送ってくれるところもあります。
図書館は送られた書籍を勝手に処分することはできませんので、必ず受け取ってはくれます。
しかし、開架するかどうかは各図書館の判断です。必ず棚に置いてくれるとは限りません。
国会図書館に対しては、出版社は書籍を収める義務があります。ですので、著者が献本する必要はありません。
今回は「献本」の方法について、解説しました。基本的に献本はPR活動です。送料を考慮するなど無計画に献本するのではなく、数を絞って送るようにしましょう。