カラー
フルカラーだけが絵本じゃない?
■フルカラーとは限らない?
絵本というと、本文がフルカラーと思いがち。でも、必ずしもそうとは限りません。大人の絵本と呼ばれる中には、モノクロのものもあります。
では、基本的にどのように本文のカラーを決めていったらいいのか、説明していきましょう。
■ページごとのカラーバリエーション
まず、カラーのバリエーションとして、どのようなものがあるのか、挙げてみましょう。ちなみに、下に行くほどコスト高です。
① | 1色のみ | コスト安 |
② | 1色と2色混在 | 2色のページ割合による |
③ | 2色のみ | |
④ | 1色と4色混在 | 4色のページ割合による |
⑤ | 2色と4色混在 | 4色のページ割合による |
⑥ | 4色のみ | コスト高 |
ちなみに、通常「モノクロ」のことを「1色」、「フルカラー」のことを「4色」といいます。では、順を追って見ていきましょう。
①1色のみの場合
1色(モノクロ)のみの場合は、通常の書籍と同じです。ですので、最も値段が安いのも理解していただけると思いますし、ページ構成のときも悩む必要はありません。
②1色と2色混在
これは④と⑤とも関係してきます。ページ構成に関して、特に工夫が必要なので、それについては、後述します。ここでは、値段について説明します。
まず、「2色」というのは、どういう状態を指すのか。印刷の場合、カラー形式は「CMYK」となります。ご家庭のプリンタもそうですね。シアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色です。このうちの2色を使うということです。
普通に考えて、文字色などは黒を使うことが一般的です。そうなると、必然的に「K」を使うことになります。残りは「CMY」、そのどれを使うのかは自由です。
例えば、赤主体とするなら、「M」を選択します。青なら「C」、黄色なら「Y」です。このとき、緑系の色を出したいというのなら、「C」と「Y」が必要で、この時点で、2色という選択肢はありえなくなります。よって、「2色」は諦め、「4色」を指定することになります。
当然ながら、「1色」と「2色」が混在する場合、2色のページが多ければ、コストは高くなります。
しかし、経験上、このようなカラーバリエーションの絵本は、あまり見たことがありません(通常の書籍はありますが)。かなりレアケースと言えるでしょう。
ちなみに「3色」というのも考え方としては成り立ちますが、ほぼこの指定で絵本を作ることはありません。コスト面でも、ほとんど4色と変わりませんから、わざわざ3色を指定する理由もありません。
③2色のみ
2色のみの場合は、①と同じように、それほど頭を悩ませることはないでしょう。単純に、1色よりコストは高くなり、4色よりかは安い。ページ構成も複雑ではありません。
ただ、絵本において、2色という指定は現実的ではありません。おそらく多くの方が、絵を制作するとき、様々な色を使うことでしょう。わざわざ印刷するからといって、2色を意識して描かないと思います。
そうなると、極論をいえば、絵本においてのカラーバリエーションは、①④⑥が現実的だということがわかってきます。
④1色と4色混在
これは②と類似していますが、現実的には、よくあるカラーバリエーションです。実際、お見積もりのご依頼も多いパターンと言えます。
やはり4色がページのどのくらいの割合を占めるかで、コストは変わってきます。
⑤2色と4色混在
これも②と似たバリエーションです。ただ、やはりこのカラー指定も、現実としてオススメしません。
⑥4色のみ
ある意味、絵本のカラーバリエーションで最も一般的なものです。やはり絵本というと、「フルカラー」のイメージが強いからです。
当然、①に比べたらコストは高くなります。ただ、ページ構成は楽です。
では、続いて、④の「1色と4色混在」を例に、どのようにページ構成すれば、コストを抑えられるのか、を解説します。