カラー
フルカラーだけが絵本じゃない?
■1色と4色はランダムに構成できない
他のページでも触れていますが、書籍は通常、8か16ページの倍数で構成されています。絵本の場合だと、最少で16ページ、以降は24ページ、32ページ、40ページ…ということになります。まず、ページ構成において、これを前提とします。
では、1色と4色に分けることでコストを抑えたいという場合、どのようにページ構成していけばいいのか。
結論をいうと、1色と4色をランダムにすることはできません。例えば、24ページの絵本を作るとします。このとき、1ページ目を4色、2〜14ページは1色、15〜22ページは4色、23ページは1色、24ページは4色というように構成することはできません。
ただ、厳密にいうとできないわけではありません。できますが、上記のようなページ構成にすると、1色と4色混在ではなく、「4色のみ」扱いとなります。
つまり、1色と4色を混在させるためにはルールがある、ということです。主に、2つのルールがあり、そのうちの1つを用いて、ページ構成していきます。
■ルールその1
仮に40ページの絵本を作るとします。先ほど、書籍は8か16ページの倍数で構成されるといいましたが、40ページを8で割ると、5ですね。となると、40ページの絵本は8ページが5つの固まりによって成り立っているということです。この8ページ単位(16ページ単位も同様)の固まりを「折(おり)」といいます。この場合は、5折です。
この「折」によって、1色と4色を分ける方法が、ルールその1です。次の表のようになります。
折 | ページ | カラー |
1 | 1〜8 | 1色 |
2 | 9〜16 | 4色 |
3 | 17〜24 | 4色 |
4 | 25〜32 | 4色 |
5 | 33〜40 | 1色 |
上の表を見ると、2〜4折は4色指定になっています。となると、40ページのうち、4色が24ページ、1色が16ページというわけです。4色の割合が多いですが、4色のみと比べたら、コストは安くなります。
この場合、折ごとにカラーが明確に分けられていたら、どの折を1色、あるいは4色にしようと構いません。絵本の巻頭と巻末に、それぞれ文章が入るようでしたら、上の表のように1折と5折を1色にすれば、効率的です。
■ルールその2
もう一つのルールは、少しテクニカルになります。絵本を制作する前に、念入りにページ構成しておくことをオススメします。
簡単にいうと、1色と4色を交互に構成していく方法です。例えば、16ページの絵本で見てみましょう。
1p | 1色 |
2-3p | 4色 |
4-5p | 1色 |
6-7p | 4色 |
8-9p | 1色 |
10-11p | 4色 |
12-13p | 1色 |
14-15p | 4色 |
16p | 1色 |
書籍を見るとわかると思いますが、1ページ目は見開きではなく、片ページとなっています。ですから、1-2ページという見開きはありえません。これが前提となり、上の表のように構成されています。交互になっていますね。もちろん、1ページ目を4色からスタートしてもいいわけです。
先ほども言いましたが、このルールの場合は、絵本制作の前に念入りにページ構成しておく必要があります。上の表に則るなら、2-3pは4色なので、絵を見開きいっぱいに載せた方がいい。文字ばかりなのに、4色ではもったいないですからね。
このように2つのルールのうち、いずれかを使用することで、1色と4色の混在した絵本を作ることができます。事前にしっかり構成しておけば、コストも無駄になりません。