販売

書店流通販売にするか?
アマゾンだけにするか?

■アマゾン販売と書店流通販売がある

大きく分けると、自費出版の販売の場合、以下の方法になります。

①アマゾンのみ販売
②アマゾン+書店流通販売
③販売なし

①アマゾンのみ販売で、リスクを軽減

先に触れておきますと、アマゾンは他のネット書店とは、やや異なるシステムを用いています。それは、出版社が直接やりとりできるという点です。つまり、楽天ブックスなどのネット書店は一般の書店同様、取次を通さないといけないことになります。

アマゾンのみで販売する場合、弊社から直接書籍をアマゾンに納品するので、取次を使いません。そのため、流通させるために必要な部数を用意する必要はなく、在庫というリスクを軽減できます。

書店流通販売のリスクは怖い。でも、販売はチャレンジしてみたいという方にはオススメです。

②大部数を刷るなら、書店流通販売。ただし…

これは、通常の販売です。トーハンや日販といった取次を利用して書店やアマゾンに書籍を卸す流通販売を指します。現在、書店は全国に4000店以上あるといわれます。大型チェーンだけを網羅するとしても、千単位で印刷しないと流通しきれません。ただ、これは非現実的な方法といえます。

書店に置かれるのは、短くて1週間。好評であれば期間は延びますが、そうでないと待っているのは返本……。つまり在庫になります。そうなれば、その分刷った部数は無駄になってしまいます。当然、費用も無駄になるわけです。

全国紙に大々的に広告を載せるとか、テレビで取り上げられたとか、そういったことがない限り、余程ある一冊の書籍が注目されることはありません。反対にいえば、そうでない書籍が大多数で、PRできない限りは、いくら書店流通しようとも意味はありません。

在庫リスク、コストリスク、管理リスク……いろいろなリスクを考慮しながら、書店流通について、考える必要があります。

③もちろん、販売なしでもISBNコードはつけられる

周囲の人にお配りする程度であれば、無理に販売させる必要はありません。あるいは、絵本の場合、読み聞かせの会や朗読会で手売りするというお客様もいらっしゃいます。そういう風に販売するのが、最も現実的には思えます。

また、販売なしの書籍でも、ISBN(出版)コードはつけられます。ISBNコードをつければ、国会図書館に寄贈する義務が生じますので、必ず収蔵されます。

■直販は、ほぼ不可能になった?

最後に、直販についてです。直販とは、書店と直接取引をすること。納品もお金のやりとりも、当然そうなります。しかし、現在、この方法はほとんど不可能になりました。というのも、1回の取引のために対応するのが面倒という書店側の理由があるからです。また、法人でないと取引していないという書店も多いため、現在は難しくなりました。

ただ、個人では難しくても、出版社と書店の間では、直販は行われることもあります。

たとえば、①のアマゾンのみで販売している場合、通常、書店では購入できません。ただ、一般の方は、そんな事情は知りませんから、書店に行けば買えると考えます。そして、書店に行き、当該書籍がないかと店員さんに尋ねます。すると、店員さんから弊社に電話がかかってきます。そのとき、弊社は当該書籍は取次を通していない旨を伝えますが、直販での対応はしていると答えます。その際、書店側と弊社側で条件が折り合えば、直販が可能になるわけです。

つまり、①の場合だけでも、ケースによっては書店で買えることも可能です。少なくとも、弊社では、書店との直販対応に応じるように体制を整えています。